2023年1月14日午後2時~午後4時に、大門美園自治会主催の地域防災教室「大災害時の浦和美園サバイバル」が、さいたま市立美園小学校で開催されました。

このイベントは、首都直下地震線状降水帯による豪雨被害時に、浦和美園でどのような事態が生じるかを念頭に、埼玉県防災士会の二崎博美先生に座学とワークショップによるご講義をお願いしました。当日は、浦和美園駅周辺地区から15名のみなさまにご参加いただきました。

当日は以下の内容を学びました。家族を守るため、とても重要な情報もあります。地震・水害に負けない浦和美園になるためにも、当日ご参加いただけなかったみなさんはぜひ、ひと通りご覧いただき、ご家庭で対策をしてください。

目次

  • 埼玉県は河川が占める面積が全国2位
  • いろいろな手段で情報を集めよう
  • 水害が起きたらどうやって避難するか
  • 普段から散歩(まちあるき)で避難経路を確認しておこう
  • 首都直下地震がくる前に、あなたのおうちで、いますぐ準備!

〇 埼玉県は河川が占める面積が全国2位!

前半は座学で、災害の危険性、避難や情報収集の方法を学びました。

災害は他人事ではありません。1995年1月17日に阪神・淡路大震災が発生しました。大都市に近い場所で強い地震が発生したことから、ビルや電柱の倒壊、地区全体が燃えるような大規模な火災が発生しました。路上の電柱が軒並み倒壊したことで、街路を消防車などがまったく通行できなくなり、結果として救助が大幅に遅れました。

浦和美園駅周辺地区のように人口密度の高い地域では、阪神・淡路大震災と同様に、電柱の倒壊による影響や火災などによって、被害が拡大する可能性があります。しかし、人間には「自分だけは大丈夫だと思う」心理的性質(正常性バイアスといいます)があり、危険があるにも関わらず、準備を怠りがちになるということを自覚しておかなければなりません。

埼玉県は首都圏直下地震だけでなく、水害の危険性もあります。埼玉県全体の面積のうち、「河川」が占める面積は3.9%で、これは実は全国第2位なのです。それだけ川が多いということは、まちに水があふれだしてくる危険があるということでもあるのです。

阪神・淡路大震災後のJR六甲道駅周辺(写真提供:神戸市

〇 いろいろな手段で情報を集めよう

インターネットで、水害の危険性を知ることができます。いったん災害に巻き込まれると、不安が高じてSNSで流れるデマにだまされやすいので、行政の公式情報を自分で集めにいきましょう

〇 水害が起きたらどうやって避難するか

水害が起きたらまず、高いところへ避難しましょう(垂直避難)。水面はあっという間に高くなります。水は上流から流れてくるので、大雨の後で、遅れて増水することもありますので油断は禁物です。

歩いて高いところへ避難するときは、以下の点に注意しましょう。

  • 長靴は水が入りこんで動きにくくなるのでダメ。動きやすい靴をはきましょう。
  • 足もとは泥水で見えません!マンホールのふたが外れているかもしれません((((;゚Д゚)。一列になって、先頭の人が傘で足下をつっついて安全を確認しながら前進しましょう。
  • ビニール袋で荷物を包んでおきましょう。
  • 避難所が満員になって入れないこともあります。あっという間に水位が高くなるので、大丈夫だと思わず、早めに避難しましょう。また犬猫などペットを飼っている人は、受け入れのルールを事前に確認しておきましょう。

防災教室ではワークショップ形式でも学びました

〇 普段から散歩(まちあるき)で避難経路を確認しておこう

地震や水害が起きたときには、避難経路や避難先を探す余裕はありません。災害が起きる前に、天気のよい日にでも散歩しながら、避難先や危険な箇所を確認しておきましょう。

  • 一時避難できそうな高い建物を確認しておきましょう。
  • 側溝、用水路、マンホールなど、浸水時に危険そうな場所を確認しておきましょう
  • 増水時には、国道122号や武蔵野線下のアンダーパスを避けましょう
  • 自販機や石塀は倒れてくる可能性があるので注意しましょう。
  • 電柱の上に設置されているトランスや、電線、看板などの落下も注意しましょう。
  • 近所の公衆電話、災害対応自販機、災害対応ベンチ、消火栓などの場所も確認しておきましょう(※浦和美園は公衆電話が非常に少ないようです)。
  • 災害時にはコンビニ、ファミレス、ガソリンスタンドの多くは「帰宅支援ステーション」になります。

〇首都直下地震がくる前に、あなたのおうちで、いますぐ準備!

首都直下地震が今後30年以内に起きる確率は70%、つまり地震が起きない確率よりも起きる確率のほうが高いのです。地震が起きても身を守れるように、家族みんなで準備しておきましょう。

・家具の置き場所、置く方向を見なおそう!

家具が倒れると、下敷きになるだけでなく、扉が開かなくこともあります。転倒防止金具を、壁の中に隠れている柱にしっかり固定するように設置しましょう。L字金具の効果が高いそうです。また寝室では、倒れても下敷きにならない方向、扉をふさがない方向に家具を置きなおしましょう。

・非常持ち出し袋の中身を見なおそう!

避難直前に荷物をつめる余裕はありませんし、避難所から家に取りに戻ることもできません。避難所は混雑しているので持ち物すべてに名前を書きましょう。ライト、はさみ・カッター、帽子があると便利です。お子さんがいる場合、普段から食べるお菓子、小さいおもちゃ、またアレルギーのあるお子さんの場合、対応の非常食なども必要です。

・集合場所と連絡先を家族で決めておこう!

震災直後には携帯電話はつながらない、と思っておきましょう。集合場所を決めておかないと、何日間も家族と離れ離れになって、たいへん不安になります。また、電話がつながらないときでも、「災害伝言ダイヤル(171)」にはつながるので、事前に家族全員で使い方を覚えておきましょう。災害後に使い方がわからないと困るので、体験利用の日(毎月1日、15日など)に家族で練習しておきましょう!(詳細はこちらのリンク先で)。